この間,引き続き資本過剰論への関心からある景気循環に関する著作を読み返し,ノートを取っていた。
資本蓄積論と信用論という二層構造になっている点にこそ、宇野の景気循環論の最大の特徴は認められる。
二層の内,資本蓄積論とは経済原論の序次ではどこか。
従来の経済原論では,価値タームと価格タームとが入り交じっているという前稿からの問題関心からだ。
資本蓄積論とは経済原論では,第2部生産論の資本の再生産論に位置付けられる。『資本論』では第1部の第7篇「資本の蓄積過程」だ。
しかし,上の引用を含め,多くの宇野派の経済原論では、第2部生産論の資本蓄積論ではなく,第3部の利潤論を指している。
と言うのも,宇野はその資本過剰説が宇野原論の利潤論で展開している。
また,『資本論』における資本の絶対的過剰生産規定が、第3部第3篇「利潤率の傾向的価値増殖過程の法則」第15章「この法則の内的矛盾の展開」で与えられていた。
しかし,価値タームと価格タームの整理という観点からはそれで良いか,が最近関心を抱いていることだ。
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