学生の質問(方法論,恐慌の周期性)

 1)恐慌が周期的に繰り返されていたことを知り、恐慌は経済の失敗と思っていたけど、資本主義経済が自立化したことを示すんだと学びました。

2)恐慌は経済が混乱を起こしている状態で、周期的に起こってはいけないものだというイメージがあったが、恐慌の周期化は資本主義経済が自立したことを示していると学ぶことができたので良かった。

3)恐慌の周期的発生を理論化出来なかった理由が理解出来なかった。

--(授業中の説明は長過ぎたので大幅圧縮して一言で)

 古典派経済学は商品経済を自明視していたために,経済不均衡の発現を突発的なものと見なしていました(日高普『経済学』第6章「貨幣の機能」で解説する「セーの法則」)。

 それに対して, 「恐慌の周期性」は,恐慌が商品生産における不均衡を市場において,政府の力を借りずに,暴力的に清算し,次の生産に向かう契機になっており,資本主義経済の自立性を表わしている,という見方です。

 逆に,恐慌によって資本主義経済が崩壊するという見方,考え方に立てば,恐慌が体現する資本主義経済の矛盾は累積する一方となります。

コメント