秋の学会報告

  5月初めにエントリーしていた秋の学会全国大会での報告「価値タームと価格ターム」が認められた。

 内容は最近の論文で明らかにしていることだが,

  • 主流派経済学と対峙するには,一般的な価格現象の叙述と(主流派の念頭にない)価値現象の叙述との切り分けが必要
  • しかし,これまでしばしば両者の混線が見受けられる
  • 諸資本の競争を前提にした価格現象が価値タームで叙述されたり
  • 諸資本の競争が背後に退き,資本・賃労働関係に焦点を当てるべきところで価格タームで叙述されたりしている。
  • 両者を切り分ける試みも見受けられるが,価値世界が価格世界で裏打ちされる,など関係づけが適切とは言えない。

 両者を峻別すると、従前浴びていた疑問「価値論の意義はどこにあるか」が一層強くなるであろう。
 それについては論文でも示唆している。
 価値論とは関係なく,叙述されている価格現象も,実は産業資本による生産過程の社会的編成によって裏付けられていることを示すのが価値論の役割であろう。

 秋の学会までにはこの点を詰めてゆく必要がある。



 

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